寧さまの名古屋弁講座その1~あんばよう、かんこうして~

「太閤の能楽師」を読んでくださった方には、
寧の名古屋弁に言及してくださる方がかなりいらっしゃるのですが。
ニュアンスが分からないところもある……との、お声も、ちらほら。
こんなのは、いかがでしょうか? 
夫の秀吉が、肥前の名護屋城からそろそろ帰ってくるという知らせを受けた、寧の台詞。

60頁「殿さまはもしかすると、まっと早う帰ってござらっせるか分からんで。
    塩梅(あんば)よう、集まっとるもの、勘考して仕舞ったってちょうだぁせ

(共通語訳)「殿さまはもしかすると、もう少し早くお帰りになるかもしれないわ
        良い具合に、集まっているものを、工夫して片付けてくださいな

ござらっせる」は、今でも西尾張~西濃方面では、敬語としてしばしば使われているようです。
あんばよう」は漢字表記「塩梅」からの連想通り、「良い具合、ほどよく」。素敵な言葉ですね。
勘考して」は、「工夫して」。子どもの頃、珠算塾で言われて分からなかった言葉の一つだったな……。
自分で勘考してまわししやぁ」(工夫して準備しなさい)なんて言われると「???」でしたけど。

私は残念ながら、純粋なネイティブではない
(両親は九州人で、現在実家は鹿児島。でも、私は生まれも育ちも尾張です)
ので、絶対に正しいという自信があるわけではないのですが、
子どもの頃を過ごした名古屋の西の地域、旧家のおばあちゃんたちの中には、とても柔らかくて上品な
(今、マスコミで聞かれる名古屋弁より、ずっと響きの優しい)言葉を聞かせてくれる方々がありました。
そんな記憶を総動員+あれこれ文献を調査して、作り上げたのが、寧さまの名古屋弁です。
今後も、「好きな名古屋弁」を寧さまの台詞から、少しずつご紹介してみようと思います。
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プロフィール

おくやまけふこ

Author:おくやまけふこ
愛知県生。小説家。
名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。
大学教員などを経て、2007年、第87回オール讀物新人賞受賞を機に作家デビュー(受賞作は『源平六花撰』に所収の「平家蟹異聞」)。
名古屋市在住。
家族は夫と猫二匹。

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