なごや 市馬落語集 in 大須演芸場

2017。9.24市馬

柳亭市朗 たぬき

柳亭市馬 のめる

柳亭市童 ろくろ首

柳亭市馬 三十石夢の通い路
                    ~仲入り
柳亭市馬 淀五郎            

市童さん、どんどん「らしく」なりますね。
お目にかかれるたびに楽しみ。

さてさて、市馬さん。
改めて、今の落語まわり、いろんな風が吹き荒れる中で、
どーーんと動かず構えて、いろんな意味で「正しいものさし」になっているお方だと。
ほれぼれ。

揺らがぬ王道。定期的に聴いて、自分の「落語脳」を調律させていただく存在。
小細工なし。
おおらかで、楽しくて、やわらかで、芯が通っていて……。

のめるの軽さと上品さ、
三十石ではお客の「歌も聴きたい!(^^)!」を満足させるたっぷりのサービス、
そして、淀五郎の人物造形……悩む若者、それぞれに風格ある役者像、厳しさ、温かみ。

眼福、耳福、心服。
ごちそうさまの、会でした。


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春風亭一之輔ひとり会 in 今池ガスホール

一之輔2017.9.22
春風亭 一猿    たらちね

春風亭 一之輔  蛙茶番
                 ~ 仲入り
春風亭 一之輔  三井の大黒

一猿さんは、一朝師匠のお弟子さん、つまりは、弟弟子さん。
兄弟子、きっと仰ぎ見て憧れているんだろうな。。。

マクラは定番、お席亭いじり(笑)。
常連は、実はこれを毎度楽しみにしています(しげたさんゴメンナサイ)。
今回は、何があったかしら、なんてね。

当日のプログラムをサカナに、ひとくさり。
大爆笑。愛を感じます。(#^.^#)。
「はかない芸能」って、でも、本質だと思いますよ。
ライブでしかありえない。録画や録音では絶対に感じられない、空気が魅力ですものね。

蛙茶番。この全力の馬鹿馬鹿しさがお見事です。
改めて、この噺ってよく出来ている+でも、下品になりすぎずにやるには、
演者さんの技術と魅力が相当にないとね、って思ったのでした。

三井の大黒! 実はあまり実演に出会えない噺です。
ひとつ間違うと、甚五郎さんが嫌みで嫌な人になると思うのだけれど、
そのあたり、さすがでした。
ふわっとした、天才肌、人間離れのキャラ。
一之輔さんに、新しい魅力がさらに加わっているのを感じました。
一之輔2017.9.22その2

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イマスケ覚醒/岐阜で生わさび/桂九雀 吹奏楽落語

8月後半から9月これまでに聴いた落語会、その他、のレポが全然間に合っておらず。
今日、まとめて掲げたいと思います。
まとめるのって申し訳ないみたいな気がするんですけど、今週末もさらに続々と予定が……。
これではたまる一方。。すみません。

まずは、てんしき杯後のプロの会、明けての、「イマスケ覚醒 in シネマスコーレ」から。
イマスケ覚醒


月亭遊方 古今亭今輔  オープニングトーク

今輔  雑学刑事

遊方  オオサカ・シネマロケンロール
                        ~中入り~
遊方 今輔   対談

今輔  ペトロフの決断/影武者

「同世代あるある」が大好きな、今輔さん。
今回は、上方新作派のエース、遊方さんをゲストに。

遊方さんとは、てんしき杯の審査でもごいっしょさせていただきました。
熱くて真面目で優しい方です。高座にもとってもそれが現れていますね。
すっごくまじめにふざけている、っていうのかな。
おひとりで吉本新喜劇ができちゃう。

さてさて、今輔さん。
どんどん前へせりだすような芸風の方が多い中で、
どこか自分を引いて見ている、
でもクールっていうわけじゃなくて、「穏やかに冷静」なんだけど、
頭の中では実はすごく素っ頓狂なことを考えている、
という、希有な存在だと思います。
センス抜群です。ぜひまた聴きたいな。
今輔さんのお扇子

続きましては。

岐阜で生わさび in 岐阜市文化センター

鵜飼家もみじ  権助提灯

柳家わさび  ちりとてちん/露出さん
                       ~中入り~
質問コーナー

わさび  エアコン

もみじさん。てんしき杯でも健闘しましたね。
高座姿がかわいい、けど、奥さんとお妾さんがどぎつくて(笑)。
今時の女子落語は、こうでなくっちゃね。

わさびさん。
脱力系……? と見せかけての、才気。
ちりとてちんの顔芸は見事でした。。こう来たか! と。
そしてそしてもうひとつ、こう来たか!
まさか、春風亭百栄さんのあの名作(?!)「露出さん」にここで出会うとは!!!
百栄さんとはまた違う風情で、笑いの止まらない1席。

中入り後のトーク、さすが、笑点で鍛えられている方です、
客席から寄せられた質問への切り返し方がお見事。

エアコンはご自身の新作。
これ以前に喬太郎さんの会で聴いたのですが、
とってもよく出来たお話。
そういえばちょっと喬太郎さんの作風の一種に近いかも。

注目度の高い二つ目さん。今聞き逃すと損ですよー、みなさん。


さて、もう一つ。

桂九雀 吹奏楽落語 in 西文化小劇場

桂 九ノ一  兵庫船

桂 九雀  茶の湯

セントシンディアンサンブル
  あの日聞いた歌/大滝詠一メドレー~幸せな結末、熱き心に/小林亜星メドレー

  ~お仲入り

吹奏楽落語 忠臣蔵

前回、「考古学落語」がとても面白かった九雀さん。
今度は「吹奏楽落語」……? どんなん? どんなん?と
興味津々。

まずは茶の湯。こちらはふつうに(笑)落語。
とは言っても、上方の茶の湯はあまり聴いた記憶がなく、
いろいろ、お江戸版との違いが面白く。
あ! 長屋の衆は結局引っ越しちゃうんだ、とか、
他にもいろいろ、演出の違いが。
こういうとき、たいてい上方版の方が、良くも悪くも「きちんと理が通る」ように
噺ができてることが多いです。九雀さんのように、
そのあたりを生かしてくれる演者さんに出会ったときは、とても楽しい。

吹奏楽。あまり聴く機会がないのですが、
大滝詠一メドレー、そうか、こうなるのか、とか。
そうだそうだ、これも小林亜星よね、とか。
パーカッションの方々の動きを見ているのも面白かったです、
いろんな楽器があるんだなぁ。。。

そしてそして、忠臣蔵!
これ、面白いわぁ!!!
しかもすっごく分かりやすい。

今講談あたりでよく演じられる忠臣蔵ネタとか、
歌舞伎の名場面とか、映像化された忠臣蔵ものとか、
いろんなエッセンスが見事に集積。
しかも音とぴったり合ってる! 

楽しい時間でした。
でもこれ、演者さんはたいへん。。。
セントシンディアンサンブルのみなさん、よく名古屋に来てくださいました。
ありがとうございます。


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岐阜落語フェスティバル in じゅうろくプラザ

2017岐阜プロの会
レポ大幅に遅れております、ちょっとずつ取り戻します。。。

予選審査、決勝司会と、毎年てんしき杯大活躍の馬るこさん。
今年のプロの会は、その真打昇進披露となりました。

春風亭ぴっかり☆ 権助提灯

月亭 遊方 たとえばこんな誕生日

桂 文治 鈴ヶ森

林家 花丸 あくびの稽古
                ~仲入り
全員 馬るこ 真打披露口上

黄金の大黒 柳家小せん

桂 梅團治 お玉牛

鈴々舎馬るこ 小言幸兵衛

サービス精神に満ちた馬るこさん。
間違いなく、人気者。

口上の司会をつとめたぴっかり☆さんのたどたどしさが、やたらウケる(笑)。
緊張するよね、ああいうのは。

「親代わり」という、兄弟子の小せんさん。
涼風のような風情が、いいな。
(今年はてんしき杯予選の審査でごいっしょさせていただきました。
 笑い声がとっても良いお声なの♡)

空気を読んでさらっと風を吹かせて去る小せんさんが
とてもとても好きなのですが、でも「たっぷり小せんさん」を、
実は聴きたいのではありますよ。私。
そんな機会、またほしいな。

審査員としての真剣さ、高座での真剣さ。
どの方もものすごく真摯な姿勢を拝見させていただきました。
物書きの私は、とてもとても頭が下がるばかりの、
貴重な二日間でございました。




 

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てんしき杯 その3 決勝 in じゅうろくプラザ

さて、決勝戦。

第一試合は
酒乱苦 雑派 (法政大学) 野ざらし

霜月亭 雪走 (成城大学) 五人廻し

4対3で雪走さんの勝ち。

これ、私コメント求められてたんですけど、
正直困った。。。巧者同士の組み合わせ。
たぶん、声出して笑った回数なら雑派さんの方が多かったと思うのですが、
にやにやさせてもらった深みは雪走さんだった。のかな。
雪走さんの悪女はすでに定評のあるところですが、
それだけでなく、男性キャラのバラエティもちゃんと楽しめた。
そこで、かろうじて、雪走さん。
ただね、雑派さんはぜひ、他のネタ、聞きたいな。
粋な感じがしそうです。
雪走さんは去年今年と何度か聞かせてもらって、感心ばっかりしてますね、そういえば。 

第二試合
松田久 海戯昇 (大阪大学)  転宅

駿河亭 惡團治 (明治大学)  元犬

5対2で惡團治さんの勝ち。

海戯昇さん、ちょっと声とマイクとの相性が悪かったかも。
女子の宿命、いかに聞きやすい声を作るか。難しいところです。
空間が変わると、それも変わるし。
噺は上手でしたし、キャラ立っていたんだけども。。。

惡團治さん。ものすごく作り込んでる、でも「ウェルメイド」な味わい。
個人的には大好きですよ、こういうの。学生さんがあえてやってくるところが。
攻めてるんだけど、とがりを全く感じさせなくて、「引き」ができるタイプってところかな。

私が審査に加わっていたのは、ここまで。
正直、ものすごくほっとしました。
ほんと、ただの客で聞きたかった……。

さてさて、他の組み合わせのレポも。

第三試合
四笑亭 笑音 (関西学院大学) ちりとてちん

富士見亭 萬藤 (法政大学)  クソ長屋

4対3で笑音さんの勝ち。
これ、自分が審査にはいってなくて良かったわぁ。。。
全然違うタイプ。比べてはいけないくらい、違う。
学生落語、てんしき杯、というあの場なら、萬藤さんていうのも、ありだったかな。。。
ただ、こういうのは、学生さんは良いけれど、一般のお客様からは、
「全然分からない」「ただただ下品」ていう反応もたぶん、あったと思う。
そこを、どう審査員は判断すればいいのか。
笑音さん、きっちり巧かったからかろうじて勝ち。というところでしょう。

第四試合
永福亭 灰松 (東京大学)    饅頭怖い

ながら家 千兵衛 (岐阜大学)  死神

1対6で千兵衛さんの勝ち。
これは。。。灰松さん気の毒だった。。。。
噺の展開の工夫も技術も、すごくすごくすごく見事だったのだけど、
それを上回る千兵衛さんの意外性に、審査員がみんな気持ちを持ってかれました。。
こういうことが起きるから、てんしき杯は怖くて、面白い。
マクラでふったことが、実は「どこからどこまで噺の一部なのか」が、終わるまで分からない作り。
小説家としても、思わず羨望のまなざしで仰いじゃう、千兵衛さんの才能。
このあとも快進撃だったのよね。。。

準決勝第一試合
駿河亭 惡團治(明治大学)  延陽伯

霜月亭 雪走 (成城大学)  野ざらし

5対4で惡團治さんの勝ち。
あえてここで野ざらしをやるという雪走さんの意気。お見事。
ただ、雪走さんはすでにこの世界で知られているだけに、審査員が
期待したものとは、ちょっとちがっちゃったかも、というのと、
惡團治さんのよく考えられたスタイルが、客を飽きさせないことにおいて、
ほんのちょっとだけ、頭出ていたように思います。
もし、ここで雪走さんが紙入れをやっていたら、さらに審査員は頭を抱えたかもしれません。

準決勝第二試合
四笑亭 笑音 (関西学院大学) 火焔太鼓

ながら家 千兵衛 (岐阜大学) 元元犬

8対1で千兵衛さんの勝ち。
元元犬。誤植ではありません、元元犬。
こう来たか! と審査員が唸るのが分かるような展開。
笑音さんはきっちりやっていたけど、このあたりで、もう千兵衛さんが、
審査員と一般客、全部を味方にする空気をまとっていたなぁ。。。。

三位決定戦
霜月亭 雪走 (成城大学)    紙入れ

四笑亭 笑音 (関西学院大学) つる

5対4で雪走さんの勝ち。
紙入れとか、雪走さん、イイのよね。
この組み合わせは、「王道感」のある戦い。
キャラが立った分、雪走さんに分があったかな。

優勝戦
駿河亭 惡團治 (明治大学)  狸の化寺

ながら家 千兵衛 (岐阜大学) 孝行糖

3対6で千兵衛さんの勝ち。

なんというか、こういう言い方、語弊があるかもしれませんが、
ものすごく下克上感のある組み合わせだった。。。。

惡團治さんが見台出してきたとき、「お! やるな!」って。
あえてここで、上方のきほんのき、「旅」を披露するとは。
感動しましたね、その試み。
きれいな、きれいな、高座でしたよ。。本当に。

私はここで、バレエ漫画の「SWAN」で、
黒鳥の32回グランフェッテを全部ドゥーブルでやってきたラリサと、
あえて一度もドゥーブルしないできっちりやり通した真澄との戦いをイメージしてしまったのでした……。

ただね、千兵衛さんのミラクルはドゥーブルどころではなかったのだな。
彼の工夫は斬新だけど、私のようなおばさんにもじゅうぶん伝わる、
ぎりぎりを狙って見事だった気がします。ああ、ここでAKBなのね、とか。

と、いうわけで。
長い長い二日間。参加した学生さんたちにとっては、二日どころではない、長い戦いだったことと思います。
この体験、きっと、今後の社会人生活に生きると思います。

終了後、あとのプロの会が始まるまで、駅ビルの飲食店で時間を調整しておりましたら、
惡團治さんと灰松さんが、私の姿を見つけてわざわざあいさつに来てくれました。
洋服姿のかれらは、とてもとても美しい(いろんな意味で)好青年。

きっと悔しくて仕方なかったことと思います、こちらもかける言葉が見つからなかったのだけど、
きっと彼らには、素晴らしい未来があるだろう、ぜひあるように、と
祈らずにはいられない、審査員のおばさんでございました。
てんしき杯の杯

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プロフィール

おくやまけふこ

Author:おくやまけふこ
愛知県生。小説家。
名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。
大学教員などを経て、2007年、第87回オール讀物新人賞受賞を機に作家デビュー(受賞作は『源平六花撰』に所収の「平家蟹異聞」)。
名古屋市在住。
家族は夫と猫二匹。

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